2024年9~10月に実施したアイデア創発ワークショップで採択された3つのチームの活動を紹介します。
寺家里山谷戸保全チームは、生きた里山の風景と農業をともに残すことを目指し、農家の抱える問題を解決することから里山保全に取り組もうと寺家みらいプロジェクトに参加しました。
プロジェクト参加時、チームリーダーの坂上さんが運営するJIKE STUDIOは柿畑保全のクラウドファンディングに挑戦中でした。この農地を守る新たな試みと多くの方との出会いや経験から、里山が続くには農家さんの抱える課題解決が不可欠だと気づいたという坂上さん。現在は営農する傍ら、ボランティアチームを立ち上げ、寺家を大切に思う人たちと寺家の里山谷戸を残すために一歩ずつ歩んでいます。

まず、里山谷戸の保全のための活動実施のために、4つの計画目標を設定しました。
①田んぼ再生のための情報収集・整理と分析
②耕作放棄地の整備と復活
③寺家の農家の継承と相続など制度的な課題の明確化と解決策の研究
④これらを進めるための勉強会、研究会、シンポジウムの開催

今年度はわずか3か月間の活動でしたが、農地を田んぼに戻すために土地の所有者を訪問し、土地の今後の活用やあり方について相談。現地調査を行いました。その後、ボランティアなどの協力も得て農地の草刈りや木の伐採などの整備活動にも着手しました。
また活動を充実させるため、実施体制の構築をしました。
寺家里山谷戸保全チームでは、3月15日にスタートアップミーティングを開催。遠くは新潟県の佐渡、そして兵庫県の神戸、近隣に住まわれる研究者チームの皆様とボランティアチームの皆さまで、寺家町内を歩くフィールドワークを実施するなど、人の輪も広がっています。次回は、4月20日(日)に、「土中環境」の高田宏臣さんの講演会を実施予定。寺家の里山の自然と農業を守ってきた人たちや、日本全国の関心をともにする人たちと寺家の環境を守るための体制を整えていきました。

寺家里山谷戸保全チームのリーダーである坂上さんのコメントです。
今までご挨拶するだけだった地元の方とじっくりお話しする機会をいただいたこと。どんな思いでふるさと村を作ってこられたか、少しですがお話を聞くことができたことはとても良かったです。そして、私たちが何をやっているのか、何を大切にしているのかを聞いていただく機会も持てました。
柿畑支援の時からお世話になっていた方と、より強いつながりでお話しする機会をいただきました。お力添えいただき、応援してくださる素晴らしい方々が現れ、チームに加わってくださいました。
私たちは、寺家の田んぼ、谷戸の風景を100年先の世代へ残していきたいと願っています。そのための第1歩目として、四季の家の前の元田んぼだった荒れ地の畑をいつか田んぼに戻したいと思っています。寺家の良さは色々あると思いますが、山があって田んぼがあって、その移り変わる景色に季節を感じ、ほっとするところではないかと思います。
農地を田んぼに戻すには、土を取り除くだけでも多大な費用が掛かります。そこで知恵をしぼり、視野を広げて実現までの道をつかめたらと思っています。
今後も寺家里山谷戸保全チームの活動と、JIKE STUDIO FARMでの営農、そしてこの里山の中でものづくりを伝えるギャラリーを続けながら、農ある寺家の里山が続くことを願って、歩んでいきたいと思います。
ーーーーー
●JIKE STUDIO
〒227-0031 神奈川県横浜市青葉区寺家町435-1
TEL: 045-479-6777
HP : https://www.galleryajike.com/
(JIKE HAUS 〒227-0031 青葉区寺家町404)
(JIKE LABORATORY 〒227-0031 青葉区寺家町353-2)